リンチ(戯曲)--三部作
発売日: 2026年6月10日
ISBN: 9784911308097
2,750円
【堺雅人(俳優)推薦! 戯曲と体を根底から突き詰める、類例のない作品集】
見ること、触れること、支えることは、
いつ暴力になるのかーー
国家で、共同体で、家で
ゆがみ抗いながら発せられてきた言葉たちが
この感覚を、体を、劇をかたちづくる。
歴史と地形、政治とケア、侵略と生活が
苛烈に殺到する「現在」に生み出された
戯曲三部作、ついに刊行。
◯堺雅人(俳優)
この戯曲、僕はとてもじゃないが、ひとりで読めない。どんな声で、なにを思って喋ればいいか、わからないのだ。そもそも声にだして読んでいいセリフなのかも、わからない。
言葉の奥に劇的な世界がひろがっている予感がする。気になる。よみたい。理解したい。でも、本当によくわからない。
ここに書かれているのは、多分、仲間を必要とする言葉だ。ひとりでなく、みんなで読む文章。よんでいると、すぐに誰かの意見を聞きたくなる。自分の疑問をきいてほしくなる。調べたことを、だれかに話してみたくなる。みんなで相談したくなる。
この文章は、だから、ものすごく「演劇の言葉」なんだと思う。よみだした瞬間から、作劇は始まっているのだ、多分。
【収録作品】
「リンチ(戯曲)」
小豆島の安田おどり、聖火の沖縄入り、クリオン島のハンセン病患者隔離施設での女子寮襲撃、南洋群島ーー寝たきりの「お袋」と介護する「素人」のあいだで、帝国が忘れんとする島々の記憶が圧縮・断片化し、噴き出す。第20回AAF戯曲賞大賞受賞作。
「同伴(戯曲)」
知念正真の戯曲『人類館』が「さる軍団」たちの紐と跳躍のなかで再び開かれる。猿まわし、タミル移民、人種握手会、通天閣ーー観客席もトイレもキッズスペースもすべてが上演内部に取り込まれ、見ることの暴力が見る者自身の知覚のなかで起動する。
「加担(戯曲)」
農婦、主夫、推し、サポ、同志、パパ。関係名で呼ばれる人物たちの家のなかで、綿ふき病、腎不全看護、満洲の上下水道、イスラエルによる水の武器化、占領下の性暴力が交錯する。ケアと連帯が、暴力と同じインフラの上を流れていく。
【付録小冊子】
平倉圭(芸術学)、細馬宏通(行動学)
【著者】
羽鳥ヨダ嘉郎
「リンチ(戯曲)」で第20回AAF戯曲賞大賞受賞。
装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座)
装画:尼子騒兵衛「落第忍者乱太郎」より
リンチ(戯曲)
同伴(戯曲)
加担(戯曲)