妻を知ることは、私を知ること

妻を知ることは、私を知ること

岩永嘉人

長崎文献社

発売日: 2026年5月18日

ISBN: 9784888514408

2,200円

意味性認知症という難病を患う妻を5年8カ月にわた って夫は介護した。その身体的物理的な作業に精神性 が次第に加えられていき、やがて夫は「妻」を発見し ていくことになる。その過程で、発症する前の夫婦と して共に歩んでいた長い年月に起きたささいな出来事、 ふと記憶に残っていた何気ない妻との会話、それらの 一つ一つが6年近い年月のなかで考察の対象になって いった。そして多分それは「省察(せいさつ)」と呼べ るものだろう。 つまり、認知症を発症した伴侶を介護し最期を看取るま での期間は、自分と元気なころの妻という二つの人格の 内心を深く見つめていく旅路でもあった。 本書は平易な言葉で書かれていて、介護の記録という体 裁を取っているが、「人が二人で生きる」というテーマを 考え抜いた爽やかな哲学書だとも言える。認知症の老親 を持つ人や医師及び介護職の人、そして「夫婦とは?結 婚とは?」という普遍的な問いを持つ人たちに対して、 大きな気付きを与えてくれる一冊である。

5月18日の同日発売