トーマス・マンと体験話法「明日はクリスマスだった」
発売日: 2026年5月20日
ISBN: 9784810203486
1,760円
トーマス・マン生誕150年記念行事の一環として、昨秋の日本独文学会シンポジウムで、「トーマス・マン文学における体験話法『トーニオ・クレーガー』を中心に」が行われ、トーマス・マン文学に精通する二人の文学研究者と体験話法に関する研究業績がある二人の語学研究者が協力して、ドイツ文学研究とドイツ語学研究の新たな交点をめざした。昨年17番目の訳出をした小黒康正は、この100年の間に何度も訳出された『トーニオ・クレーガー』が、なぜこれほどまでに刊行されるのか、そして体験話法研究の成果がなぜ十分に反映されていないのか、以前から疑問を抱いていた。この思いが、シンポジウムを開催し、本書刊行へと繋がった。本書は「序破急」の3部構成になっており、第1部は「序」で、トーマス・マン、そして体験話法についてゆっくりと説明、核をなす第2部が中盤の展開部「破」にあたり、第3部ではシンポジウムでの熱い議論のライブ感ある質疑応答を終結部の「急」で示しています。
はじめに
第1部 導入1 トーマス・マンについて トーマス・マン研究の基本文献一覧 トオーマス・マン生誕150年
導入2 体験話法とはなにか 体験話法(自由間接話法)に関する日本語の主な文献 トーマス・マンの「体験話法」に関する文献一覧
第2部 小黒康正:新訳『トーニオ・クレーガー』への挑戦 嶋崎 啓:『トーニオ・クレーガー』における饒舌と沈黙 鈴木康志:発言再現の体験話法、その識別のむずかしさー『ブデンブローク家の人々』を中心にー
第3部 質疑応答 研究ノート 古賀伊織:トーマス・マンにおける体験話法と三点リーダー
ふたつのバトン 結びにかえて 編集・執筆者紹介