虹はいまだ旅の途上
発売日: 2026年4月27日
ISBN: 9784760156573
2,200円
「正史」や「正典」に刻まれない、小さな声を拾い集めてーー
バンクーバー、ソウル、チューリッヒ、アムステルダム、パリ。台湾で生まれ、日本で生きる芥川賞作家が、五つの都市をクィアに旅した2024年の記録。
“台湾で生まれ、日本で生活し、日本語と中国語を主要言語とし、アジアからほとんど出たことがない私は、欧米発祥の「クィア」という言葉とそれにまつわる諸文脈から切り離され、長い間、断絶を余儀なくされてきた。しかしバックラッシュは文化や言語、国家の境界線をものともせず、世界規模の波となって襲ってきた。である以上、私も自身の文脈を、クィアの歴史という文脈にもう一度接続し直さない限り、バックラッシュの正体を見極めることができない。これから記すのは、いわば「文脈を繫ぎ直す」ための旅だ。”(プロローグより)
プロローグ 文脈を繫ぎ直すために
バンクーバー編
1 雨のバンクーバー
2 終わりのない抵抗
3 クィア・ラウンジと女性センター
4 初春のキャンパス
5 気さくでドジでチャーミングな通訳者
6 日本でクィアを書くということ(講演録)
7 緩やかな紐帯
8 パンセクのドラゴン
9 デイビー・ビレッジ
10 私には妻がいるよ
11 恋に破れてパイロット
12 君は変革を望むと言ったね
13 生き延びる芸術
14 壺中の天地
15 クィア的ディアスポラ
ソウル編
1 ソウル、夜の再会
2 人生の給油
3 三銃士
4 歴史の土
5 芳荑洞の夜
6 飛び石状の時間
7 アクアフィールド
8 勝手に祈らないで
9 二般の世界
10 神の裁きを押しのけて
11 弘大の陽キャたち
12 韓服ガールズ
13 今夕また何の夕べぞ
チューリッヒ編
1 木漏れ日の移ろうチューリッヒ
2 リマト川沿いのテラス席にて
3 ダニエラ一家
4 夏の夜のライブ
5 ブランチ・ストライキ
6 紫の女たち
7 束の間の解放区
8 解放されたら危ないぞ
9 Binary Is Not for Humans
10 シャフハウゼンそぞろ歩き
11 ダニエラ宅の夕食会
アムステルダム編
1 自由の街・アムステルダム
2 アムステルダムの住宅事情
3 私たちの悲嘆可能性
4 プライドの葛藤
5 過去、現在、未来
6 犠牲者の象徴
7 飾り窓地区と売春博物館
8 旅は道連れ、夜は……
9 クィアたちの夕食会
10 ロッテルダムの再会
11 ラベンダーの闘い
12 過去、現在、未来……?
パリ編
1 愛と死の街・パリ
2 パリLGBTセンター
3 凱旋門とシャンゼリゼ通り
4 エッフェル塔のありふれた夜
5 夜中のハプニング
6 La MutinerieとThe LABO
7 クィア的パリ散歩
8 若者は極右をクソ食らえと思ってる
9 パレード後夜祭
10 モンマルトル詣で
11 高架下のクィア・パーティー
12 六月の終わりに
13 人生(クィア)の旅(たたかい)は続く
エピローグ 虹はいまだ旅の途上