精神医学 2026年9月号 [雑誌] 関係性(つながり)の神経基盤と精神病理ー社会性の醸成と愛着・共感
発売日: 2026年9月15日
ISBN: 4912056270961
3,080円
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精神科臨床において,患者の症状の改善と同時に,社会機能の回復・向上を果たすことは重要な治療目標である。一部の疾患においては,社会機能の障害そのものが中核症状を成す場合もある。この社会機能の回復・向上を達成するには,社会における「関係性(つながり)」に注目し,それを支える神経学的基盤の理解と新たな介入法の創出が必要とされている。英国の精神分析学者であるMelanie Kleinは,愛着に基づく関係性の構築プロセスを精神機能の発達の中核と位置づけ,性格形成や精神疾患の理解を試みた。また,自己心理学の提唱者であるHeinz Kohutは,共感は他者の感情や思考・体験を洞察するためのツールと考え,子どもや患者との治療関係においては,しばしば共感を通じて生じるつながりが自己愛の成熟や修復に役立つ可能性を指摘している。近年の神経科学の発展は,こうした愛着や共感の背景神経基盤を明らかにしつつあり,さまざまな精神疾患の社会機能障害にその不全が関与するという科学的証拠(エビデンス)が集積している。これらは,KleinやKohutが提起した精神疾患病態の発達・力動的理解を,現代の科学的視点から再検討する必要性を示すものと言えよう。社会機能は愛着や共感に関わる神経基盤に支えられているが,同時にその神経基盤自体も,社会的な対人関係のなかで発達・成熟していくと考えられる。したがって,個体の発達過程における養育・環境との相互作用のみならず,人類の進化過程における社会機能と神経基盤の共進化という視点からも,精神疾患の病態を検討することが求められる。関係性(つながり)の創出・維持を担う愛着や共感の神経機能単位は近年広く注目されており,research domain criteria(RDoC)における評価系の一つとしても認知されつつある。本特集は,関係性(つながり)に関わる神経基盤の理解をもとに,その機能不全がもたらす疾患病理と,現代社会が要求する社会機能との関連について,多角的視点から俯瞰することを目的とする。(「特集にあたって」より)
この本の見どころ (キョウハツ独自解説)
9月発売の雑誌1393冊中、価格は上位4%(57位)に入る高価格帯。
この本のデータ (キョウハツ独自集計)
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医学書院 の発売傾向
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